H君とA君

 ステップ5の二人のレッスンがあった。H君のお母さんはタイ出身 A君のお母さんは韓国出身で、年に数回帰国のためレッスンをお休みすることがあるが、二人ともほとんど休まずレッスンにやってくる。このところ、なかなかこちらの願うようなレッスンになっていかず、困っていたのだが、今日は競い合う場面も見受けられてこちらの方が驚いた。H君もA君もリトミックのほかにもさまざまな習いごとに通っているようで、どちらのお国でも教育に対する関心が高いことがうかがわれる。  二人が大きくなったときに、心のどこかに思い出すようなシ-ンとしてこのレッスンが残っていてくれるだろうか。少し生意気になってきて反抗しながらも、帰るときすっかり暗くなった外が怖いと、しっかり私の手を握ってきた様子に、微笑まずにはいられなかった。

教養部講演会終了

 中垣寿彦先生の講演会が、授業参観のあと行われた。本当のところ何人来てくれるのか心配で仕方なかった。中垣先生には「たくさん集めますから!」なんて豪語しておいたくせに、反応がまったく分からなかったから。たくさんの人で会場がいっぱいになってほっとした。  講演はやはりすばらしかった。どんな集団に対しても、一瞬にして心をつかんでしまう先生のお力は、やはりその人格からくるのだと思う。お会いしたとたん、ほっとする。思わず笑顔になる。だから先生のことばを一生懸命聴きたくなる。  先生の講演の内容のどれだけを親たちは家に持ち帰ったかは分からない。でもSちゃんのお母さんが、学校にいけないSちゃんに対して自分はしていはいけないことばかりしていたことに気づき、中垣先生の所に一緒に連れて言って欲しいといってきた。お母さんが変わろうとしたとき、きっと子どもは変わるのだと思う。  リトミックもまったく同じだけれど、効率ばかり優先していて大切な体験を後回しにしていたら、そのつけは必ず子どもの心にふりかかってくる。『主体的自己決定性』は、もしかしたら親の相当の覚悟なしでは育たないのではないか。それほどに、親は過干渉であることになかなか気づかない。  子どもの姿をちゃん見る。子どもの声をちゃんと聴く。そしてそのままを認める。簡単そうでできない親の姿である。  中垣先生、ご多忙な中、すばらしい講演をありがとうございました。

むつみ幼稚園

 新潟県十日町にあるむつみ幼稚園で行われた、リトミック講習会に行ってきた。講師は石田保代先生。  117号線をひたすら車を走らせ、たっぷり2時間かけてたどり着いた。  今年度より近くの保育園が統合されたという。2歳児20分 そのあと年少 年中 年長のクラスが各30分ずつ。子どもたちの集中は途切れることがなかった。先生のお話を聴く様子、目をいっせいに向けじっと見つめる表情。「いいなあ」そう思った。 リトミックそのものはそれをする空気をどうつくっていくかにかかっていると思う。農家が作物をつくる前に土作りをするのと一緒だ。私もゆっくり時間をかけてそれをしなければ・・・と思った。目先の効果、たとえば元気に走ったり歩いたり、ジャンプすること、リズム唱することに終始しがちだが、じっと耳を澄ます、先生のかすかな声にも聞き耳をたてることはこつこつと継続していかなければなかなかできていかない。 石田先生と子どもたちが作り出す雰囲気のなかに、日々の先生方の地道な継続の姿をうかがい知った。 私自身の大きな目標と、自分にできていない地道な努力の積み重ねについてまた考えさせられた。また来年も必ず行きます!

中野リトミックのおしらせ

 9月20日(土)中野駅前ハ-トネットにて、リトミック教室を行います。  お近くの方はご参加ください。      11:00~11:40 未就学児対象   11:50~12:50 小学生対象  参加費はどちらの講座もお一人1500円(兄弟割引あり)  保護者は無料 リトミックに興味のある方の参観もできます  講師 北島由美   お問い合わせ:リトミック研究センタ-長野第一支局 026-231-5474

石田先生をおまねきして

 午前中S保育園でのリトミック、午後は先生方との話し合いと希望者による即興講座を行った。休むまもなくこなしていただき本当にありがとうございました。  S保育園の先生方の熱意にこたえられる自分でいたいと思う。どういうリトミックを提供して行くのか、思い知った気がした。私が全部さらけ出して行くことしかできないけれど・・。  午後の即興講座は、いつも事務を的確にこなす、ちかちゃんが不在で初めてすべてお任せしている自分に気づき深く反省。二つ返事でお手伝いしてくださった皆さん ありがとうございました。  ことばに頼らず伝わって欲しいこと、伝えなければいけないこと、それをかみしめてまた今日から仕切りなおし。

月例会

 第五回のリトミック月例会が終わりました。うれしいことがたくさんありました。初級のティ-チングを終えて受講生のお一人が、「今までリトミックを取り入れた授業の指導案を考えようとすると、リズムとかメロディ-とか音楽的なところばかり気にしていたのですが、今日講義を受けていてもしかしたら生活全部って言うか、そういうことから発想するみたいな感じに思えてきて、ぐ-っと広がったんですけどいいのでしょうか?」との質問を受けました。正直うれしかったです。  人間が五感や筋肉を使って経験するすべてのことからリトミックは始まり、さまざまな枝に広がっていきます。そのことを感じ取ってくださったこと 感謝です。  秋のにおい、空気の色、風の音、さまざまな気配・・・それを受け取り、感じる身体があって始めてのびのびとした表現につながります。子どもたちに豊かな体験をしてもらいたい、そしてそれを自分らしく表現して欲しい、リトミックはそういう人間に育っていって欲しいがための人間教育だと思っています。  それから、幼稚園でリトミックの研究授業をしたいとおもっているS先生、今の仕事をやめてもいいから、リトミックを頑張ってやりなさいといってくださったTさんのだんなさんのこと、自分に少し自信がもてるようになったT先生などなど たくさんの受講生が声をかけてくれました。本当に心からうれしいです。  「リトミックっていいですね」 そう思って子どもたちに接してくれる人が少しずつふえている実感を持ちました。私自身 次へのエネルギ-をもらった気がしました。

中垣先生講座から

 「ストレスとリラクセ-ション」より   愛するということに関して。愛するということは、相手にそのままでいてもらうこと。~このことに関して、しなのキャンパスでお母さん方と話していて分かったことがあった。それは、今私たちは多くの場合、知らず知らずのうちに見返りを求めてしまっているということ。自分の子どもに対しても、もともと母の愛は無償のはずだった。でもどこかで、これだけあなたに尽くしている私のことを、なぜ分からないの?と思う部分があるかのではないか。子どもをまてない、世話を焼かずにいられないその根底に、いつも見返りを求める自分がいる。あなたがいてくれるだけでいい そんな母性をもう一度思い出したい。  来週13日午後3時より中垣先生の念願の講演会である。

しなのキャンパス

 無事終了しました。たくさんの人に助けられ、支えられ終えることができました。細かいことから雑用一切を仕切ったきんちゃん、本当にお疲れ様。  参加した大人と子どもがきっと何かを持ち帰ったことと思います。参加者の心をどんどん開いてくださった中野哲良さん。次々に繰り出される芝居の奥に、熱い思いとなにより『愛』を感じました。これからももっともっと学ばせてください。語ってください。  たった一泊の限られた時間の中で、子どもたちの輝く笑顔を見続けられたことが何よりでした。「自分のできることを精一杯したいと思う」そういう環境の中でこのキャンパスができてよかったと思います。  総合とは・・を子どもの姿で実証してくださる田中先生の教え子と親たちが、このキャンパスでずっと学び続けることができたらこんなうれしいことはありません。地味だけれど確実な一歩を踏み出せた気がしています。  このキャンパスにかかわったすべてのみなさん、ありがとうございました。

久しぶりのモンテベルディ

 箭川先生の歌声を四ツ谷で聴いた。大学時代、合唱に一途だった頃の自分を思い出した。人間の声はすごいと思う。そして声にはその人がよく現れる。箭川先生の音域の幅と声色の豊富さはなんだかそのまま先生のコミュニケ-ション力のような気がした。  私も歌いたくなった。今だったら、どんなハ-モニ-をつくることができるだろうか。

企画

 何かをしようとしたら、必ずたたき台が必要だということ。「無」から、みなでどんなに話し合っても、なかなか前に進めない。それにしても『たたき台』とはよく言ったものだ。これが企画書であればまだいいが、生身の人間であるとなかなかきつい。  さて今日は上越にて講師会が開かれた。アイディアや夢を実現させていくのはすべて人力にかかっていると、改めて思った。人との信頼感、労働をいとわない姿勢、謙虚さ、それに加えたユニ-クな発想、協調性・・・。これらは全部リトミックによって培われる力である。リトミックを指導する前に、それに足りうる人間であるかどうか思わず自問してるこの頃。