中垣寿彦先生の講演会が、授業参観のあと行われた。本当のところ何人来てくれるのか心配で仕方なかった。中垣先生には「たくさん集めますから!」なんて豪語しておいたくせに、反応がまったく分からなかったから。たくさんの人で会場がいっぱいになってほっとした。
講演はやはりすばらしかった。どんな集団に対しても、一瞬にして心をつかんでしまう先生のお力は、やはりその人格からくるのだと思う。お会いしたとたん、ほっとする。思わず笑顔になる。だから先生のことばを一生懸命聴きたくなる。
先生の講演の内容のどれだけを親たちは家に持ち帰ったかは分からない。でもSちゃんのお母さんが、学校にいけないSちゃんに対して自分はしていはいけないことばかりしていたことに気づき、中垣先生の所に一緒に連れて言って欲しいといってきた。お母さんが変わろうとしたとき、きっと子どもは変わるのだと思う。
リトミックもまったく同じだけれど、効率ばかり優先していて大切な体験を後回しにしていたら、そのつけは必ず子どもの心にふりかかってくる。『主体的自己決定性』は、もしかしたら親の相当の覚悟なしでは育たないのではないか。それほどに、親は過干渉であることになかなか気づかない。
子どもの姿をちゃん見る。子どもの声をちゃんと聴く。そしてそのままを認める。簡単そうでできない親の姿である。
中垣先生、ご多忙な中、すばらしい講演をありがとうございました。