音楽を通して、人としての総合的能力を開発する/もともとは音楽教育のために開発された教育法で、日本語では「よいリズム」の意味。音楽教育だけでなく、子どもが自らを考える力、生きる力を身につけさせることが目標です。
「リトミック」という言葉は、すでにママたちの間でも一般的になっています。「音楽にのって体操する」というイメージでとらえられていますが、実は、ジャック・ダルクローズという人が開発した教育指導法のことなのです。
それを受けて作られた、日本の子どもたちにふさわしいプログラムを普及しているのがリトミック研究センター。今回は新宿にある研究センター付属の教室に行きました。
見学したのは、三歳児のクラス。まずは子どもの後ろにママが立って、ごあいさつからスタートです。
ごあいさつがすんだら、「ドレミ」のレッスン。音階に合わせて歌を歌っていきます。次にママと一緒に手をつなぎ、「お母さんと散歩」と歌いながら、輪になって教室の中をゆっくり歩いていきます。
ママと向かい合って、パチンと手を合わせてたり。先生が弾くピアノの曲に合わせてそっと歩いて、音楽が止まると一緒に止まったり。先生は子どもの様子を見ながら、情緒たっぷり歌を歌っていました。
さらに、いろんな遊具を使ったメニューも。一人一人が好きなボールを受け取り、先生のピアノに合わせて床についたり取ったり。子ども同士でボールをいくっつけて、ゆらゆらしたりします。「お母さん」「00ちゃん」と歌いながらママとボール投げもしたりします。
楽譜の概念も学びます。黄色いロープの上に黒くて丸い板を置き、「一本目の線、ミ」「一本目のぶらさがり、レ」という歌を歌いながら、子どもは板を線の上や下に置いて、その上に乗ります。色分けしたカードに音符を置いていったりもします。
そしてみんなで合奏。タンバリン、カスタネット、鈴の中で、好きな楽器をそれぞれ取り、ピアノに合わせてケーキ作りのようすの歌を演奏していきます。楽器をしまって「さよならあんころもちまた来ましょう」と歌っておしまい。楽しいレッスンができました。
Q&A
Q:最初から本格的に習わせたいので、遠くのお教室まで電車で通いたいのですが?
A:あまり遠いところに通わせると、のちのち通うのが大変になってしまうかも。子どもが幼稚園、小学校と進んでも、通うに無理がないところで見つけるのがいいと思います。
でも、子どものおけいこごとをきっかけに、ちょっとおしゃれしてでかけたい、というママの気持ちはよくわかるので、絶対ダメとは思いません。(答え:杉山由美子さん)
Q:働いているので、おけいこごとには通わせられません。
A:わざわざシッターさんに頼むような無理をして、教室に通わせることはないですよ。休みの日に子どもといっしょにプールにいったり、家で音楽を聴くことだって、子どもの環境を整えるためには十分な意味があるんですよ。
Q:うちでは、子どものおけいこごとに、それほどお金をかける余裕がありません。
A:まずは近所にある公共の施設をチェックしてみましょう。ベビースイミングをやっている自治体もあります。子どものお教室もいいですが、たまには託児付きの母親講座などを探して参加してみては。子どもと離れて自分を磨くことで、子育てが、もっと楽しめるはずです。