長い列

 通夜だった。彼はまだ15歳。長い長い通夜の列。その場から立ち去ることもできずにたちすくむ子どもたち。「なぜ?」「何があった?」・・・テレビや新聞の中の出来事のように感じていた。人事ではない。いつどこで起こっても不思議でないことなのだと認識せざるを得ないことが悲しい。
 夜、久々に一人のお母さんと話した。通夜であわなかったらもしかしたらきっと話すこともなかったかもしれない。彼女がいった。~このごろになってようやく自分が何気に発していることばの意味を振り返るんだよ。身近な人だから許されるだろうと思っていっていることばの一つ一つのこと。どんなに近い人でも言っていいことと悪いことはあるよね~彼女がそういってくれなかったら、私も気づかなかったかもしれない。
 子どもたちが感情やストレスを自分の中に押し込めていかないよう、とにかく見ていくことしかない。15歳で亡くなった彼が周りに与えた影響はあまりに大きい。