子ども達は耳が聞こえないのではなく聞こえにくいのであって、その程度も一人一人皆違う。だから補聴器の精密な調整が必要となってくるし、できるだけ必要な声のみを拾えるような赤外線を使ったシステムが採用されている。毎朝の補聴器のチェックはだから子どもたちの生命線。
なぜ子どもたちの表情が輝いているのだろう。教室の空気がまるく暖かいのはなぜだろう。
三年生の漢字の授業を見たとき、その答えを見つけた気がした。「幸」の字を習う時、読み方やどんな時にこの漢字を使うかが子ども達から語られる。「お誕生日のプレゼントもらうと幸せ」「みんな聞こえた?」「う一んもう一回いって」
聞こえにくい聴力を最大限使い聞くことに集中する子ども達
そしてその口から発せられる一言一言をちゃんと受け止める先生・・「待って」と「聞いて」のことばが先生から発せられるとなんだか幸せになった。今私たちが忘れがちな待つことと聞くことを教えてもらった気がした。