葡萄色の海

 川手鷹彦氏演出による 演劇塾〈銀河鉄道〉の舞台公演「葡萄色の海」を見た。宮澤賢治とギリシャ悲劇と現代の子どもたち(学校)が一緒になった演劇で、複雑な印象を受ける。でも以前里中満智子の描いたマンガ「ギリシャ神話」からの知識と、読み聞かせの会で読まれた賢治の詩で、賢治と妹トシのことを聞いていたおかげで、断片がつながる気がした。でも劇中 子どものせりふで「あなたはどれだけ宮澤賢治を知っているんですか?」と問いかけられ、おもわず苦笑い。
 生きること死ぬことの尊厳、宇宙や自然への畏敬の念、そして人と人とのつながり(信頼)・・・実感というわけではないけれど、その重みを体中で感じる思いだった。
 最後に賢治のことばをきいて、ああやっぱりと思った。「・・すべては子どもたちに。」そう、子どもたちはずっとメッセ-ジを受け取っているのだ。