所作

昨日の智恵子先生の講座のなかでのお話で、とても印象に残ったおはなし。
「朝日新聞にの記事で、なるほどなあと思う事がありました。最近の大人の所作で、きれいだなあ、すごいなあと子どもたちが、あこがれ、まねしたくなるものが少なくなってきた気がする、という事です。」

ああ、そうか。子どもの頃、ぱーんと薪を一回でわる父の姿をみて、やってみたいと思った。イメージの中で自分ができる気がしていた。斧を手にする事ができるようになってまねたけれど、すぐにはできなかった。祖母が裁縫や、てまりづくりに没頭している時、その横で手の動きをみながら、他愛のない事を話した記憶があります。お手玉とかも本当にあっという間に作ってしまって、私もすぐできる気になったけれど、なかなかうまくいかなかった‥。祖母の手のなかで、おとなしくしていた端切れは、私の手のなかでは、なぜかおさまりがつかず。手元を見ながら針を動かす祖母の姿は未だに鮮明に思いだされます。

職人とまでは行かずとも、少し前の大人は、美しく手仕事をこなしていたのだなあ、と思います。インフラが整わない社会では、大人たちの毎日の生活の姿が、所作の一つ一つが、美しかった気がします。
すっかり便利な生活になったいまだからこそ、大人たちが美しい所作を学ばなければ、それこそこどもたちになにも残せなくなってしまう、そんな危機感を持ちました。
今日の大人のリトミックは、リラックスとともに美しい身体を意識できるよう考えてみたいと思います。